居酒屋チェーン戦国史
居酒屋チェーンの歴史を紐解くとこれから求められる居酒屋の方向性が見えてくる。
なぜならば社会/働き方/価値観の変化とともに居酒屋チェーンも変化してきたからだ。自分達の働き方も大きく変わっていくから、求められる居酒屋もさらに変わっていく。
そんなことがこの本を読むと分かる。
時代の流れと居酒屋での動きを時系列にすると
戦後→高いお酒で中高年ターゲット(養老乃瀧)
高度成長→若者、ビジネスマンが集まる場所として、安い飲み物である酎ハイブームが生まれ(村さ来)、女性の社会進出が広まってくると、今度はカクテルブームが生まれた(モンテローザ)
バブル期→非日常感を売りにした空間を演出する居酒屋が現れた。(つぼ八:超巨大アミューズメント札幌松岡ビル店 100人が座れるカウンター席 など居酒屋のラスベガスと言われた)
バブル崩壊→ファミリー層をターゲットに総合型居酒屋が確立し、ファミレスと顧客争奪戦を始めた。(ワタミ)
リーマンショク後→激安居酒屋戦争、客単価、価値の低下を招き、東日本大震災を前に終焉。(三光マーケティング)
東日本大震災/働き方改革→宴会自粛モードから、消費者の価値観は大きく変わり、会社帰りの飲み会なども減る。総合型居酒屋チェーンの需要の低下。
超スマホ化社会→大手チェーンやブランドよりも、ネットの評価SNSで映える、ような満足感の高い、専門型居酒屋へ変化 (塚田農場、串カツ田中、晩杯屋)
これからは人手不足、超高齢化社会、AIの台頭により多くの人が取って変われるように仕事、働き方、働く人もどんどん変わっていく。
居酒屋チェーンはこの変化に気づき新しい価値を生み出さなければ生き残れないし、新しい価値を生み出しているチェーンは生き残るのだろう感じた。
ただこれは居酒屋だけでなく、他の産業も同じことである。
居酒屋チェーンの歴史を含め、消費者の価値観の歴史を勉強するのに非常に良い本でした。
https://www.amazon.co.jp/dp/4781651089/ref=cm_sw_r_cp_awdb_c_oiylCbGKQEEZK